ここでは主にピアノが弾けるようになるための、3つの主要事項とマインドセット、それから習慣化について記述しております。
冒頭に筆者の経歴も記載しておりますが、読み飛ばしていただいて構いません。
筆者の音楽経歴(読み飛ばし推奨)
私の音楽歴を簡単にご説明しておきます。
小学校高学年から家にあったシンセサイザー(EOS)を使って、音を打ち込みで曲をコピーしたり、時には作曲をしたりし始めました。
当時は楽譜を参考にすることはほとんどなく、主に耳コピで打ち込み音楽を作っていました。
シンセサイザーを弾いて練習することは「多少あったかな?」ぐらいでほとんど打ち込みに没頭していたのです。
中学3年生からの長いギター歴
14歳のころからギターを弾き始めました。
初めは音楽室にあったギターや友達の家にあったギターを遊び半分で弾き始め、そのうちに友達から借りてきて家にギターを置くようになって本格的に練習するようになりました。
当時は友達からの影響やビジュアル系バンドが流行ったりと、メディアの影響が大きく、見た目がカッコいいという理由でギターを弾き始めたんだと思います。
本気というより周りに流された感が大きいかもしれません。
東京のアン・ミュージックスクールに3年間在籍
20歳で上京しプロを目指し音楽専門学校に入学しました。
ギター科を3年間専攻したのですが、その間にピアノ科も半年在籍しました。
と言っても当時は不真面目で、遊びに夢中になってしまったので、3年間真剣に取り組んだとはとても言えません。
それでも上京して最初の学生寮生活での出会いが、その後のピアノ人生に大きく影響したのは事実です。
SKとの出会いがピアノを始めたきっかけ
今でも鮮明に覚えています。
学生寮の友達の部屋で、そのピアニスト(以下イニシャルでSK)と出会いました。
寮生の友達の部屋にあったキーボード(少しお粗末な)をSKが弾いて見せた時、恥ずかしながら超ショックを受けたのです!
もう、うま過ぎて、こんなやつが東京には集まるのか!?と。
しかしSKから影響を受けその数ヶ月後、ギターをさておきキーボードを購入してしまったのです。
ちなみにSKは数年後、某有名バンドに正式メンバーとして加入し、メジャーデビューを果たしていました。
お金がなくてピアノを売った
不真面目さが募りピアノの練習は2年ぐらいで終了。
26、7歳ぐらいの時には、2台あったキーボードはお金がなかったために売りました。
実家にあったピアノを帰省時にたまに弾くぐらいで、せっかく弾けるようになった曲を忘れていってしまったのを覚えています。
ギターはその後も継続的に弾き、ライブにも多数出演していましたし、YouTubeにも動画をアップしていました。
ギターをやめる代わりにピアノを
私は大人になってからピアノを弾き始めました。
20歳から2年程度練習し、しばらくの間弾くのをやめ、2018年12月から再び再開。
38歳の時からこのブログを書いている現在に至るまで、1年半練習を続けています。
2018年の12月に決心しました。もうギターはやめてピアノだけにしようと。
ずっとピアノが弾きたかったのに、昔からやっていたギターにどこかこだわり続けていたのかも知れません。
本当に好きな楽器はピアノなんだと気がついたんです。
2018年12月からピアノを練習し続けているので、このブログを更新している2021年5月時点では、ピアノ歴4年程度と見てもらえば良いかと思います。
練習で必要なこと(本編はここから)
さて前置きはここまでにし、本編はここからになります。
ピアノの練習に欠かせない重要な要素は以下の3点になります。
- 練習する時間の長さ
- 練習の質
- メディアの多様性
最初の2点、練習の長さと練習の質に関しましては楽器経験がない方でも、なんとなくわかる気がすると思います。
上記3点についてそれぞれ詳述いたします。
練習する時間の長さ
子供の頃から大人になるまで練習し続けている人は、もちろんですが練習している時間が長いです。当たり前のことですが、だから上手に弾けます。
でもピアノが弾けるようになりたいのに、そんなことをあれこれ考えても仕方がありませんね。
それに現代の脳科学では、脳は70代になっても進歩すると言われています。
何歳から初めてもまったく問題はない、とポジティブに考える方が良いでしょう。
正しい練習法を続けていれば必ず弾けるようになります。
正しい練習法と言ってもそんなに特別なことはなく、昔からある方法で大丈夫なのですが、練習方法につきましては後ほど詳しく記載いたします。
練習の質
練習の質の良し悪しは当然ながら関係してきます。
例えば集中力が欠けていたり、集中できるような環境でなかったりすれば成果は落ちます。
そのため練習の質を上げる工夫は重要事項となり、日々学び、改善を図っていかなければなりません。
例えば練習場所となるところにスマホを持って行ってはいけません。
近年の科学的な研究では、スマホが同じ部屋にあるだけで集中力が落ちると言われています。
どうしてもスマホを持っていく必要がある場合は、せめて視界に入らない場所に置いたり、マナーモード(または電源を切る)にするなどしましょう。
机の引き出しやカバンに仕舞うのもオススメです。
メディアの多様性
メディアの多様性とは楽器の練習含め、ピアノに関するその他全てにあたりますが、例えば弾きたい曲の演奏をYouTubeで動画を観たり、iTunesで音を聞いたり、ピアノがそばにない場合はメトロノームを使ってリズムトレーニングをするなど。
実際に楽器に触れている時間以外もかなり重要です。
演奏動画を観ていなければ、上手に演奏しているイメージができません。
脳科学的にもイメージトレーニングがかなり有効だと判明しています。
近年、幼児期からプロ顔負けの演奏者が増えているのは、メディアの多様性が影響しているためでしょう。
個々に差が出るのは、実はこの部分がとても大きいです。
例えばピアノの先生に練習の施しを得れば、覚えが早いのは想像がしやすいでしょう。(必ずしも専門の先生に習えという話ではありませんが。)
私も学校でピアノを半年間だけ専攻しましたが、前述したとおりかなり不真面目でしたので、学校は休みがちでそんなに授業は受けていません。
残念ながら何を習ったかもほとんど覚えていません・・・。
その他にもプロの演奏を観にいく、ピアノ歴のある人から話を聞く、ピアノに関する本を読む、楽譜の読み方を学ぶ、など。
それと、ピアノや音楽の歴史を学ぶのも良いかも知れませんね。
成長マインドセット
才能は生まれ持っているもので、知能や頭の良さ、芸術的感性などは磨きようがなくそのままだと捉えている人(またはそちら側に考えている人)と、学習や訓練次第で自分の能力はかなり伸ばすことが可能だ、と考えている人では覚えるスピードや結果に大きな差が生じます。
ピアノの演奏も練習次第(またはそれ以外の方法)で、かなり伸ばせると思うようにしましょう。
才能の良し悪しは関係ない
知能や才能の良し悪しはほとんど関係がありません。
脳は使用している部位の細胞が増え、大きくなり進歩するのです。
楽譜を読めない方は信じられないかも知れませんが、音符を読む力は毎日読んでいれば、次第に早く(スラスラと)読めるようになります。
私は2018年の12月から1年半、ほぼ毎日楽譜を読んでいます。
すると当然ながら、1年半前よりも楽譜を読むスピードが早くなりました。
それは少しずつではありますが、今でも進歩していると感じています。ちなみに私はもともと楽譜を読むことが得意ではありません。
スパンを長く見積もる
すらすら演奏できるようになるまでにどれぐらいの時間がかかるのかは、長めに見積もった方が良いです。
短めに設定してしまうと目標を達成できなかった場合、自尊心の低下に繋がり兼ねません。
例えば私の場合は、菅原紗由理さんの『君がいるから』の練習をし、弾けるようになるまでに1年見積もりました。
実際には9ヶ月から10ヶ月程度ですらすら最後まで弾けるようになりました。ゆとりを持たせておけば焦ることもありません。
10分練習法
10分練習法とは私が考えた練習法ですが、対象となる曲を1日10分間練習する方法です。
週に6日間練習した場合は、1日10分×6で1時間練習したことになります。
1年間は52週ありますので、1年間でおよそ52時間の練習時間ということになります。練習曲の選択が間違えていなければ、十分に弾けるようになります。
1日10分程度であれば、最初は難しい曲でも我慢して練習を続けることが可能です。100均でタイマーを買ってきて10分にセットして練習してみましょう。
私の場合、ぷりんと楽譜(PDF形式で楽譜をダウンロードできるサイト)のMISIAさんのEverything(上級)を10分練習法に当てた時は、流石に選択を間違えたと思いました・・・。
YouTubeで演奏動画をアップしている方がいらっしゃいますので、気になる方は検索してみてください。
練習曲の選択はレベルが高すぎず、手を伸ばせば届く範囲内の曲にしましょう。
10分練習法で演奏できるようになった曲目
私はここ1年間ぐらいで下記の曲を演奏できるようになりました。
- 君がいるから(菅原紗由理)”FF13テーマソング”
- Grateful Memories(聖剣伝説)
- ザナルカンドにて(FF10)
- ハノン10番まで
これに加え2021年5月現在では、「いつか王子様が」と「ティーダのテーマ(FF10)」を10分練習法で練習しています。ハノンも11番以降に挑戦中です。
いずれも遅くても今年中にはすらすらと弾けるようになるでしょう。
練習は必ず習慣化させる
習慣化させる有効な方法は、トリガーを用意して同じタイミングで実行することです。
習慣化について具体的に説明をしていきます。
イフゼンプランニング
私の場合は朝の時間帯に、読書が終わってから瞑想をし、その次に50分程度の練習時間を設けています。実行に移す順番を決めているわけです。
これは心理学でいうところのイフゼンプランニングという方法ですが、習慣化の帝王とも呼ばれるかなり有効な方法になります。
イフゼンプランニングとは簡単に言えば、「Aが起きたらBをする」「Aの状況になったらBをする」というように、習慣化したい行動のタイミングをあらかじめ決めておく方法です。
「イフ=もし○○したら」「ゼン=そのときに△△をする」というように、やるべき行動とそれを行う条件をセットにするのが最大の特徴と言えます。
ちなみに英語で書くと、「If then planning. 」となります。
私の場合で言えば、10分から20分の瞑想が終わった次にピアノの練習をするようにしています。
練習するタイミングの設定は個人の生活スタイルによって変わりますので、自分で「この時間帯ならできそうだ」とか、「ここが良いな」と思うところに持ってきましょう。
例えば帰宅後は必ず10分練習法をする、入浴後は必ず15分間練習するや、または在宅ワークであれば昼寝後にするなどでも良いでしょう。
このように条件を設定しておけば脳が勝手に反応するようになります。
イフゼンプランニングが有効な理由
なぜイフゼンプランニングが習慣化に有効な理由を簡単に話しますと、人間はもともと「敵が現れたら逃げる」や「食べ物を見つけたら取りに行く」など生存に欠かせない行動を、いくつも脳に組み込んで進化してきた生き物だからです。
よって人間が無意識に使っているシステムの中で、脳が一番理解しやすい条件付けと言えます。
ピアノの練習のみを習慣化させる
習慣化で大切なのは習慣にしたい内容を必ず1つに絞ることです。
ここではピアノの練習について述べていますので、ピアノの練習だけを習慣化する目標で取り組んでください。
想像しやすいかと思いますが、一度にあれもこれもと習慣化させるのはかなり困難なのです。
1週間に行う回数は「4回以上行えば習慣化されやすい。」と、カナダのビクトリア大学で研究結果が出ています。
週2、3回程度では挫折する可能性高くなるので注意が必要です。最低でも最初から週4回の練習を心がけましょう。大切なのは1週間に行う頻度です。
そして自分にとってハードルの高いものを習慣化させるのには、66日間かかると言われています。だいたい2ヶ月間ですね。
ピアノの練習を習慣化させるのが困難だと感じる場合は、2ヶ月間はピアノの練習のみ習慣化させるのに焦点を置くと良いでしょう。
ハードルをものすごく下げる
挫折するパターンとして多いのが、ハードルを上げすぎてストレスを感じやめてしまうパターンです。ハードルはものすごく下げた方が良いです。
私の場合で言うと、ピアノが置いてある部屋で読書をすることから始めした。え、ピアノを弾くんじゃなくて?って感じですよね(笑)
まず、ピアノ室に居ることに慣れることから取り組んだのです。
数週間して次に、10分程度弾くようにしました。
2、3週間後に20分にし、日々30分の練習をするまでに2ヶ月ぐらい時間をかけたと思います。そしてしばらくは30分の練習を積み上げました。
だんだんと「もっと練習したいな。練習時間を引き伸ばすにはどういう工夫が必要だろうか。」と考えるようになりました。
やがて曲数と10分練習法を増やし、40分、50分と練習量を増やしていったのです。
現在では午後の時間にも少し練習していますので、1日60分程度の練習時間になっています。
肝心なのは三日坊主にならず、完全に習慣化して毎日練習し続けることです。
練習時間は一気に増やさず少しずつ増やしていきましょう。例えば1ヶ月目は1日10分、2ヶ月目に20分、3ヶ月目で30分、など。
初めのうちは練習時間を増やしたいと思っても、練習時間をあえて伸ばさないことをオススメします。
習慣化の科学としては、2ヶ月間は大きく時間を引き延ばさず我慢した方が有効です。
例えば私の読書習慣で言えば初めは30分程度でしたが、3年後の現在では3時間程度(あるいはそれ以上)に引き延ばされています。
大丈夫です。
長く続けて完全に習慣化されたものはエスカレートしやがて暴走します。ピアノは自分にとって絶対に必要だとおもうのであれば、必ず習慣化させましょう。
まとめ
- 練習する時間の長さ、練習の質、メディアの多様性が重要事項
- 成長マインドセットを持つ
- 対象の曲が弾けるようになるまでのスパンを長く見積もる
- 10分練習法で練習する
- イフゼンプランニングで習慣化させる
- ピアノが完全に習慣化されるまで他の習慣を取り入れようとしない
- 練習時間や練習内容などのハードルをものすごく下げる
あとがき
私自身がピアノの練習に取り組んでいるため、シリーズは長く続くと思います。
記事の内容が参考になった場合、記憶の定着のため数日おきに読むと効果的です。
最後までお読みいただきありがとうございました!
参考文献
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