マルチタスクほど危険なものはありません。
例えば、携帯電話のながら運転ではアルコール血中濃度が0.8%のドライバーと変わらないぐらい運転に集中できないと言われています。
それがハンズフリー通話であろうと関係なく。酒気帯び運転が、呼気1リットル中アルコール0.25mg以上とされているので、これは相当危険な行為です。
タスクの切り替えが多いほど能率が落ちる
1つのことに取り組みながら、別のことをしようとすと、前頭前皮質がすぐに照準を移すことができず脳はフリーズしてしまいます。
同じ神経細胞ネットワークで競合してしまうため、脳は類似した2つのタスクを同時には実行できません。
次の行動に切り替えるまでに間が空いてしまうのです。よって、タスクの切り替えはできる限り減らすことが重要です。
私は、目の前のタスクが完全に終わるまで、絶対に次のタスクには手をつけないを徹底しています。単純なことではありますが、この心がけだけでかなり仕事の能率が上がります。
そもそもマルチタスクたるものは存在しない
複数のことを同時にこなすマルチタスクというものは、そもそも脳科学的にはありえないと言われています。
スタンフォード大学の神経科学者エヤル・オフィル博士によれば、
「人間はじつのところマルチタスクなどしていない。タスク・スイッチング(タスクの切り替え)をしているだけだ。タスクからタスクへと素早く切り替えているだけである。」と説明しています。
前述した、前頭前皮質がすぐに照準を移すことができず脳はフリーズしてしまう、ということを考えると、これは非常に効率が悪いと言えます。
更にマサチューセッツ工科大学のアール・ミラー博士によれば、
「何かをしているときに、別のこと(タスク)に集中することはできない。なぜなら2つのタスクの間で【干渉】が生じるからだ。人にはマルチタスクをこなすことなどできない。【できる】という人がいるとしたら、それは単なる勘違いだ。脳は勘違いするのが得意である。」と述べています。
つまり一般に「マルチタスク」と考えられている行為は、瞬時に「タスク・スイッチング」をしているだけです。
その数が増えれば増えるほど能率は落ちる一方でしょう。
1つのことに専心すれば幸福度が高まる!
- 幸福になる鍵は、いまという瞬間にどっぷりひたることにある
- 人はなにかに専心している時の方が充足感を覚える
- シングルタスクを実践していると、人はより深い幸福を感じられる
科学者たちの研究によれば上記のようなことが明らかになっています。
また、2010年のハーバード大学の、被験者2250人を対象にした研究によれば、仕事に熱心に取り組んでいる人ほど幸福を実感していることがわかりました。
同様に、すぐに気が散ってしまう人ほど幸福を感じる度合いが低いことも判明しました。
気が散る要因の代表格
現代人の気が散る大きな要因が主にスマホでしょう。
通知音がなれば気が散ることこの上ないので、私はスマホと共に過ごさないことを徹底しています。
こうしてブログを更新している最中も、スマホは隣の部屋の隅にある机の引き出しにしまってあります。
更に、スマホ自体の通知はほとんどオフにしてあり、マナーモードにもしてあります。
スマホは用事がある時にだけ触る。大切な用事は着信が入っていたりメールが来ていたりLINEに入っていたりしますので、後でまとめて確認しておけば非常に効率的です。
時間は無限にはありません。私たちは限られた時間の中で、より大切なことを達成したいはずです。その大切な時間をスマホに邪魔されてはいけません。
スマホは、自身と同じ部屋にあるだけで集中力が落ちる、という研究結果が出ています。通知音どころか視界にすら入れてはならないのです。
- 休日の一瞬一瞬を楽しむ
- 人生の大きな出来事をしみじみと味合う
- 五感を研ぎ澄ませて体験する
など、とにかく目の前のことに専念しましょう。多くのことを効率よく学び体験するには、シングルタスクを極めること以外、他なりません。
筆者が12:30までにやること
- 飼い猫2匹に朝ごはんをあげる
- 歯磨き洗顔
- 読書90分間
- YouTubeで本の要約動画を見ながら庭で日光浴
- バーピー20回以上
- 瞑想15分間
- ピアノの練習50分間
- 猫のトイレ掃除/掃除機/玄関の掃除
- ブログの更新60分間
午前中はとりわけ忙しい(忙しいと感じる訳ではない)ですが、朝7:15に起きてから上記のタスクを行います。
これらを全て実行するためにはシングルタスクで集中して行わなければなりません。
どこかでマルチタスクになってしまっていては、効率が悪くこんなに多くのことを315分(5時間と15分)以内にはできないでしょう。
更に、タスクの切り替えの合間に、猫と遊んだりコーヒーを飲んだり母と会話をしたりしています。
12:30から仕事に入り、ここから先もほぼ全てがシングルタスクで構成されています。
私は幸い個人事業主ですので時間の使い方は自由ですが、例えば8時出社のサラリーマンになるのであれば朝は5時に起きて90分の読書と瞑想、バーピー(運動)などを終わらせます。
その他、ピアノの練習やブログの更新などは帰宅してから行います。
それが叶わないのであれば、よっぽど好きな仕事でもなければ、そこに就職する意味はないので転職をするでしょう。
会話は電話含め全力で行う
シングルタスクは、接している相手に完全に集中することを意味します。「いまここ」に集中することで結局は、人のためになり自分のためにもなります。
例えば会話中、スマホでLINEやメールをチェックをしながら話をされたら自分はどう思うだろうか?スマホを見ている時点でその人は会話に集中していないことを意味します。
話している内容は覚えていないことが多いですし、どう考えても効率が悪い会話になります。
いまちゃんと話ができないのであれば、何時なら会話がちゃんとできるか時間を決めた方が良いでしょう。
相手には見えないからと言って、電話でも同じことです。全力で会話に集中すればだらだら長電話になることもなく、手短に要件を済ませることが可能でしょう。
例えば用もなくパソコンを見ながら、またはテレビを見ながら話してしまっては効率が悪いどころか相手にも悪いです。
会話で肝心なのは「質」です。
日々のタスクは必ず書き出す
1つのことに専心するためには日々のタスクを書き出すことが欠かせません。
筆者のオススメのタスク管理法はアイビーリーメソッドです。アイビーリーメソッドはシンプルでとても有効なタスク管理法だと感じます。
私は現在ではバレットジャーナル(簡易版)というタスク管理法を使用していますが、1年ほど前まではアイビーリーメソッドを使用していました。
初めてアイビーリーメソッドでタスク管理をした時はかなり効率が上がり「自分はこんなに暇だったのか。」と驚いたのを覚えています。
1つの作業が終わるまで、断固として次のことをやらない
アイビーリーメソッドの要諦も基本はシングルタスクを徹底し、下記の手順でおこないます。
- 紙やノートにやるべきことを6つ書き出す
- その6項目を重要だと思われる順に1、2、3、4、5、6と番号を振る
- メモの順番に従ってタスクを進める
- もし全部できなかったら、悔やむことなく忘れる
- 翌日も6つの項目を新しく書き出す
- 1〜5を丁寧にくり返す
書き出す作業は前日の夜に行っても非常に効果的です。夜に書き出すことで安心できるので、人によってはよく眠れるようになるでしょう。
まとめ
- タスクの切り替えはできる限り最小限にすると効率が上がる
- 1つのことに専心すれば幸福感が上がる
- スマホを使わない時は視界の外へ(出来れば部屋の外)
- 会話は一点集中全力で
- 日々のタスクは必ず書き出す(アイビーリーメソット)
- 1つの作業が終わるまで、断固として次のことをやらない
あとがき
シングルタスクは【時間】を有効活用し、【生産性】を上げ、【対人関係】を改善します。何より、私が日々シングルタスクを心がけることで感じていることは圧倒的安心感です。
パソコンであれば、タブは1つにする(なるべく少なくする)、PDFは全画面を使って読む、メールやSNSも集中したい時など場合によっては全画面にします。
そして、パソコンでも全ての通知は切った方が良いです。時間を決め、まとめて確認するようにすることでかなり効率的になります。何より気が散らない!
私たちの時間は無限ではなく限られています。本当はみんな目の前のことに【没頭】したいはずです。文明が進み現代社会が生んだ注意散漫の状態は不幸を呼び兼ねません。
幸福に生きるためにも、目の前の1つのことに専念しましょう。
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没頭の世界へようこそ。一点集中で超効率化する方法!②
参考文献
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