幸福学

良い行いで幸せがつづく!ウェルビーイングをめざす持続的な幸福のつくり方

幸福学では、幸せの形は人それぞれでも、人間の脳には幸せを感じるための基本的なメカニズムが存在するのではないか、と考えます。どうしたら幸せになれるか、そもそも幸せとは何なのか、どうしたら自分の人生に満足できるのでしょうか。

ハピネスではなくウェルビーイングを目指す

幸福学では基本的にハピネスではなくウェルビーイングという状態を目指します。ハピネスの意味は、幸福、満足、喜び、幸運、幸せ、などになりますが、ウェルビーイングは心身ともに健康であることや、あらゆる物事が良い状態を指します。すなわち身体面と精神面が満たされた広い範囲での幸福を示す言葉です。言い換えるとハピネスは一時的な幸福であり、ウェルビーイングは持続的な幸福を指します。

私は一時的な満足であるハピネスの状態をあまり好みません。ひとりでお酒を飲んだり焼肉を食べたり、ラーメンを食べたり、その他美味しい料理を食べたり、タバコを吸ったり。一時的な満足は自己破壊的な行動が多く、私はこれらをゆっくりとした自◯行為だと考えています。例えば習慣的に晩酌をしていると、体を壊すだけではなく時間とお金の浪費にもなります。失われた時間やお金は二度と戻ってきません。この行為は持続的な幸福、すなわちウェルビーイングからかけ離れた状態と言えます。

幸せな人ほど成功しやすい

幸福な人ほど成功しやすいと化学的研究からわかっています。幸せを感じている人はそうでない人と比べて、創造性が3倍高く生産性が1.3倍高いようです。

私は目先の幸福を目指すのではなく、不幸を避けることが重要だと感じます。先述したような自己破壊的なハピネス(一時的な満足)は避けるべきでしょう。そして運動や瞑想、読書やその他学習など、能動的な活動を日々の習慣に少しずつ取り入れていけば幸福度が徐々に上がっていきます。一時的な幸福ではなく自己成長に励み、長い目で幸福になれる状態を目指します。

偽善でも良いので利他的に振る舞う

無理やり利他的に振る舞うだけでも幸福度が上がることがわかっています。そのためボランティア活動はおすすめです。たとえ偽善から始めても人に優しくすれば、周りの人は幸せになり自分も幸せになるのです。

私はかつてから偽善者上等で生きてきました。結果的に良い行いをしていれば、それはいい人間になるという意味です。

西森博之さんの作品「お茶にごす」のヒロイン、姉崎奈緒美にこんなシーンがありました。強面の主人公、船橋の命令でいい人のふりをしている不良2人組に向けて、姉崎は「いい人です。あなた達はいい事をしました。いい人です。」と伝えました。これは私はかつてより的を射ている言葉だと思っていました。気持ちはどうあれ良い行いをして生きていれば、その人はいい人で幸せな人です。

収入によって幸福度は上がる?

収入が高いほど幸福度は上がる傾向にありますが、間違ったお金の使い方をすれば、やはり不幸に陥ります。裕福な著名人や大富豪が自らの手でこの世を去ってしまうことは、結構話に聞くことが多いです。

大切なことは自分の株価を上げ続けることなのです。収入が上がっても無駄なお金の使い方はしないように心がけ、経験や学習に重きを置き、全ての体験から教訓を得るのです。そうやって自分自身が成長し続ければ、お金に支配されることがなく大切な使い方を心がけるようになるでしょう。

高い収入によって満たされるのは、あくまでも生活満足度だけなのです。生活満足度というのは持続的な幸福にはつながり難く、一時的な幸福度の改善ということになります。生活満足度は長続きしない、感情的な満足度なのです。

多様な人と付き合うと幸せになる

友達の数ではなく多様性の方が幸福度に影響することがわかっています。幅広い人間関係があるかどうかが重要であり、友達の種類が豊富な方が良いです。同じ友達と付き合っている方が楽ではありますが、その分刺激が少なく情報が狭まってしまう傾向にあるので、自己成長にもつながり難いです。単純な好き好みだけで人と付き合うのではなく、他人の長所に意識を向けるとさまざまな人たちと交流できるのではないでしょうか。

感謝の気持ちを育む

他人に感謝できる人は幸福度が高いことがわかっています。しかし「感謝」という言葉は重い感じがするので、「ありがたい」に言い換えても良いようです。「ありがたい」であれば簡単に思えるのではないでしょうか。私はこの事実を知ってから無理に感謝するのではなく、ありがたいと思い感謝する数を増やすようになりました。もちろん心から感謝できることは精一杯感謝するのです。日常的に小さないいことが起こった時は「ありがたい」と思うようになりました。その都度「感謝」では大変な気がしますので、ぜひ「ありがたい」を活用してみてください。

感謝(ありがたい)という感情は鍛えられることがわかっています。日々小さな「ありがたい」から鍛えて行くのはどうでしょうか。

感謝の気持ちが芽生えると脳内には「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンやオキシトシンが分泌されます。「ありがたい」や「感謝」の気持ちを意識して育んでいきましょう。

地位財と非地位財

お金やもの、社会的地位など周囲との比較によって満足を得ることを地位財と言います。それとは対照に他人との比較とは関係なく、幸福や満足が持続的に得られるものを非地位財と言います。非地位財とは具体的に以下のような事柄から得られます。

  • 人との繋がり
  • 家族の愛情
  • 勉強
  • 仕事
  • 健康
  • 自主性
  • 社会への帰属意識
  • 良質な環境
  • 自由
  • 愛情

幸福学では地位財ではなく非地位財を目指します。地位財の満足は長続きしませんが、非地位財は持続的に満足が得られる、いわゆるウェルビーイング(良い状態)に該当します。持続的な幸福を得られるように非地位財を目指しましょう。

大きな声で挨拶をする

挨拶をする人は幸せで、元気に大きな声で挨拶をする人はさらに幸福度が高いようです。すがすがしい挨拶は自分と周りの人を幸せにするので、気分の良いハツラツとした挨拶を心がけましょう。ちゃんと挨拶をするだけで幸福になれるのなら安いものです。

「幸福は挨拶から」と定義してしまうのも良いと思います。挨拶が苦手な人はごく簡単な挨拶でも良いので、勇気を出し一歩を踏み出しましょう。全ては自分と身の回りの人のためです。そう考えると挨拶は利他的に生きることになります。

まとめ

  • あらゆる物事が良い状態、ウェルビーイングを目指す
  • 偽善でも良いので利他的に振る舞う
  • 自分自身を磨き続ける
  • 多様な人と付き合う
  • 感謝の気持ちを育む(「感謝」を「ありがたい」に変えても良い)
  • 非地位財を得られるように生きる
  • ちゃんと挨拶をする

 

参考文献